吉祥寺美術館でひと月ほど前から開催中の「味わいの芸術 和菓子」展が明日で終了なので、慌てて観に行ってきた。
この展示に合わせて吉祥寺を和菓子で表現するというワークショップも催され、こちらもかなり魅力的。
これは吉祥寺をイメージした和菓子のデザインを公募し、採用されたデザインをもとに和菓子を創作するというもの。応募総数259点の中から市内の和菓子屋さん4軒がそれぞれ2点ずつ選んで実際に製作し、しかも会期中は店舗で販売もするそうだ。
美術館に置いてあった資料を見ると、8つの創作和菓子はどれも涼やかでおいしそう。デザインとしてはやはり井の頭公園にちなんだものが多い。
食べてみたいお菓子がいくつかあるけど、会期は明日までだから、それまでに4軒すべてを回るのはさすがに無理。とりあえず一番近い吉祥寺虎屋で弁天包という作品と、ついでに秋味団子を買って帰る。
弁天包は名前の通り、井の頭公園内の弁天様にちなんだお菓子。まるで二枚貝のような形の草餅の中にはこしあん、そしてすあま製の三色の宝珠が彩り良く並び、見た目にも愛らしい。
デザインは武蔵野市の男性によるものなんだけど、弁天様をモチーフにという着眼点もいいし、形や彩りも優れものだと思うなあ。
よもぎの香りのお餅は柔らかくよく伸び、むっちりした歯ごたえのすあま、上品な甘さのあんこ、どれもおいしくいただいた。
秋味団子は黄色のお餅には刻んだ栗入りの白あん、黒ごまを散らした緑色のお餅(まるでキウイフルーツみたいだ)にはぽくぽくした食感の濃厚なごまあんがそれぞれ包んであり、どちらもおいしかった。
おいしかっただけに、こんな素敵なイベントがあるのをもっと早く気付けばよかったと、後悔することしきり。