昨日買ってきた「カヌレ]」と「ピティビエ」は、繰り越そうと思いながらも結局その日のうちに食べてしまった。食味の点からはそれで正解だったと思う。
「ピティビエ」はカットしてみたら断面がすごくきれいでびっくりした。一枚一枚きちんと層になって間に空気を含んでいるのでさっくさく。これぞパイ、という感じ。アーモンドのクリームは、もっとたくさん入っているとうれしい。
「カヌレ」はだいぶ前ちょっとブームになったときに食べたことがあるけど、「これのどこがおいしいわけ?」と、それっきり興味をなくしてしまったのだった。
それが、おいしいという評判につられて約十年ぶりに再会。そして久々に口にするカヌレの味は...。なんと、おいしいではないか。濃い焼き色はダテではなく、ほんとうにしっかりと焼き込んであり、まわりがとてもカリカリしているのだ。カットするのに少し力がいるくらい。中側はきれいなクリーム色でしっとりもちもち。この色と食感の対比がすごくいい。
考えてみれば、プリンはもとよりクラフティやファー・ブルトンも好きな私がカヌレを気に入らないことの方がおかしいんだな。卵と砂糖と牛乳って偉大だ。そして、長いこと不当評価してきて悪かったね、カヌレ。深くお詫びします。
ふたつとも食べる前にわざわざカットしたのは、半分は母にあげるため。シューを食べるときに吹っ飛んだ理性のかけらが戻ってきたようだ。