Quailの日々雑甘

本物志向でもなきゃ違いのわかる舌もなく、お菓子ならなんでもおいしい雑食的日々の記

田舎娘と再会

7〜8年前、駒場東大前の小さな会社に勤めていたころ、駅のすぐ近くにあるアラペイザンヌというケーキ屋さんがお気に入りだった。といっても焼き菓子とパン類を偏愛してたんで、生菓子を食べた記憶はほとんどないけど。

時々ここのクロワッサンザマンドやボストックでランチにするのがこの上ない幸せだったのに、気が付いたら閉店していてがっくりした覚えがある。


それが数年前、風のうわさで稲田堤に移転しているらしいことを耳にし、以来ずっと気になっていたのだ。実際に行かなかったのは、単に遠いから。

距離的には自転車で行けなくもないんだけど、多摩川を越えて他県へ行くのかと思うと心理的距離感があるんだよね。電車で行くのはもっと遠く感じるし...。


そんな田舎娘への恋情をつらつらと友人に訴えていたら、なんと彼女が足を運んで焼き菓子を買ってきてくれたよー。

彼女の会社の後輩が稲田堤に住んでいて、たまに自転車で遊びに行くらしい。やっぱり多摩川を越えるんだけど、彼女の家はほとんど多摩川べりだし、20分程度で着いちゃうんだって。


自転車だし買った当日に受渡しできないから日持ちのする焼菓子だけということだけど、私は焼き菓子こそ欲しかったわけで、願ってもない。

マドレーヌ、フィナンシェ、エンガディナのようなもの、ココアクッキー、そして私のイチオシ、キャフェブルトン(当時はそんな名前だったと思う)。駒場にいたころよりおしゃれになったというか、パッケージなんかがかわいくなっている気がする。


マドレーヌはバニラビーンズの粒が入って香りがいい。フィナンシェに近いようなしっとり系よりも、どちらかというと神田精養軒のマドレーヌに近いタイプなところが私好み。

エンガディナ風のものはヌガー部分が思ったほどしつこくなく、クッキー生地がすごくほろほろでおいしい。

フィナンシェはとてもしっとり、ココアクッキーはさくさく軽く、ほどよくビター。

キャフェブルトンはなつかしのあの味だ。コーヒーの風味、サブレのざりざりするような歯ごたえと舌触りがたまらない。


たくさんあるから少しずつ楽しめるわー、なんて思って大事にとっておいたのに、一つ食べたらそのまま一気になだれ食い。チェーン・スモーキングのお菓子版みたいだ。どこか壊れてるんじゃないか、私...。